中津高架下・・大阪の高架下の中でも独特の雰囲気がある場所。
「ギュー」と何かの力に圧縮されて、分かれているけど溶け合っているような不思議な密度。
淀川と梅田に近い地理的条件もあるのか?
中津駅が存在する必要が無いかのように、川の橋で平面的に絞られてから広がる前に梅田の駅に吸い込まれてゆく線路。押しつぶされたような幅の駅のプラットホーム・・通り過ぎていく電車。
中津を越えるためではなく、梅田から淀川を渡るために上がっていく途中のような高架下。それによって生まれる無関係でありながら妙に圧縮された上下の距離感。
様々な力に軋む音が聞こえてきそうな地上の地下街。そこに引き寄せられ住みついてきた人や物。
そんな場所に、新たな力が加わっている。耐震化を理由とした、場所の明け渡しを求める力・・
線路に寄り添う176号線の高架下は、現在の法律では道路という公共財産らしい。公共財産である場所が中津という街のエリアや歴史を分断するのではなく、つなげ、つむいでいくような場として存在してほしい。
場所に生まれている不思議な圧力が、内外の人々をつないでいく力となるように願っている。