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水中車窓 suichushaso
大阪の中心に浮かぶ中之島。東西に流れる川の水辺は、かつて水運の拠点として蔵屋敷が軒を並べた。
その後、南北に流れる御堂筋が完成し人や物の流れが変わると、中之島はシマとしての輪郭を失っていくこととなった。
そのような中、人々のシマとしての復興の願いとともに、東西の新たな流れを目指して敷設された中之島線。
「もし、水中を走る電車があれば、街はどのような表情を見せてくれるのだろう?」
水中を走る電車は、街を刻々とスキャニングしていく・・ 意識の中に沈んでいたシマが、浮かび上がる。
水中から水面を通してみる「ゆれ・にじむ街」は、時をこえて過去や未来の景色へも、わたしたちをつれていってくれるかもしれない。
用途 : 都市計画 /種別 : インスタレーション(展示)
計画地 : 中之島(京阪中之島線地下コンコース) /設置 : キテ・ミテ中之島2015
主催 : 京阪電気鉄道、中之島高速鉄道 /出品 : UZU/撮影 : UZU -
船場の水面 senba no minamo
古くからの町割が残り、人々の歴史・文化が折り重なるまち、船場。
かつての道沿いの軒下の位置に「船場建築線」という建築後退線が引かれた。
現れる空間は、道路でもなく建築を建てる場所でもない、
巾2000ミリでふくらみのある曖昧な空間を、再び生み出した。
建築と空っぽの間・・水面のように生き生きと変わり移ろう空間を、既存の建物群がまとうことをイメージしてみる。
例えば薬屋さんが並ぶ道修町なら、医薬神「神農さん」が纏う葉のように緑化され・・
通りに薬草の谷が出来て、街が冷やされたり・・薬草を摘み、お茶や薬膳がいただけたり・・
趣の有る建物が草間に現れたり・・様々な通りで、様々な谷ができていくイメージ・・
用途 : 都市計画提案 /種別 : インスタレーション(展示)/計画地 : 船場
設置 : 船場まつり2012「どっぷり船場じっくりアート展」/主催 : ドットアートコスモ
出品 : UZU+近畿大学建築学部寺川研究室 /撮影 : UZU -
KAMEOKA PROJECT
京都・亀岡。保津川のほとりで行われた「社会美学」の実践。
地元大学のアートギャラリー実習を内包するアートを通じた地域創生の試み。
かつて、「保津川下り」の乗船場であり、場の文化・歴史・環境が、凝縮し現れる建築。
しかし、最近は積極的に使われること無く、廃墟のように、川辺の風景に同化し、
人々の意識から忘れ去られたような存在。この場の力と対話し、その意味を掘り起こす。
・ 開栓:使われなくなっていた建物を、水がたまってしまったタンクに見立て水抜き。
・ S35-T16:昭和35年台風16号。戦後最大の洪水。場に記憶された水位を示す。
・ M e d a k a:同じ方向を向く磁石のメダカ。緩やかに引き合いながら、場の流れを示す。
・ T r u n k :洪水で大地の色に染められた、からっぽの柱。
種別 : 運営協力・インスタレーション(展示)/開催地 : 亀岡
設置 : 京都学園大学人間文化学部「アートギャラリー実習」/企画 : 岡崎広樹・藤阪新吾
協力 : 亀岡商工会議所・亀岡文化資料館・京都学園大学人間文化学会
運営協力・出品 : UZU /撮影 : UZU -
竹灯盆 tikutobon
京都・亀岡。保津という船頭の村にあるお寺。
保津川を開削して船を通した角倉了以翁の、命日の法要が行われた。
地元の人達が切り出した竹を使い、了以翁を迎え送るための火を灯す。
切り口を椀形に並べた竹筒に浮かぶ火は、了以翁の情熱と、亀岡盆地の土地の力を現し、
竹ヒゴを編んだ皿は保津川の流れを、置かれた笹舟に盛られた古代米は荷船を表す。
用途 : 竹灯篭 /計画地 : 亀岡 /設置 : 角倉了以翁メモリアルイベント2007
主催 : 保津町自治会 /デザイン:UZU /撮影 : UZU -
船舞台 funebutai
京都・亀岡。市民手づくりの保津川開削のお話。
京の都に、丹波の物資を運ぶ荷船を流すため、保津川が開削されて400年の年。
亀山城跡のお堀を保津の流れに見立て、船を浮かべた舞台で行われた。
お堀に浮かぶ船の上に、板で一片の床を組み、幕で一片の帆を立てる。
幕の前が表舞台で、後ろが舞台袖。
演者は闇の中、船に乗りゆっくりと袖に向かい幕裏から現れ、戻っていく。
用途 : 舞台 /計画地 : 亀岡 /設置 : 保津川開削400周年記念イベント2006
主催 : 保津川開削400周年記念事業実行委員会 /企画・デザイン:UZU /撮影 : UZU