場所の美と感性 亀岡プロジェクト2010 無事終了しました。
http://blog.uzu-a.com/?eid=1159320
http://blog.uzu-a.com/?eid=1159322
京都新聞記事
http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20101219000036
様々な形で関わっていただいた方々に感謝します。
ありがとうございました。
保津川下りの乗り場のある浜の一等地。
人々の動きを包み込み見守るなかで生まれた様々な痕跡・記憶。
建物は霧の中、環境と溶け合い静かに眠りにつこうとしていました。
太古、亀岡の盆地は湖で夜には満天の星が浮かんでいました。
保津渓谷入口の流木の栓を焼き払い水を抜き、平野が現れ田畑となりました。
その時の火が起源といわれているのが保津の火祭りです。
時代は下り、保津川周辺は様々な事・人・物の動きが活発になってきています。
その中心で、台風の目のように沈黙する建物・・場。
気圧の低くなった場所に地中から再び水が立ち上がり
水没したようなイメージが湧き上がりました・・
そこへ彼方から火花を散らし降りてきた隕石@
その刺激による、2度目の水抜き。
神戸から、京都学園大学を抜けて亀岡に降ってきた藤阪新吾という隕石@
さてさて、本当に栓が抜けたのか?そこから何が現れるのか?
これからが楽しみです。
松井が感じた、当日の様子を紹介。
1日目。
ぐっと冷え込み、空気も澄んだ冬の青空。
re-present : 藤阪新吾
亀岡商工会館のネオンに、何十年かぶり?に灯がともる。
実は点灯試験中、一部ネオン管が切れる。地元亀岡には、もうネオン管が扱える方がいない。
日ごろからお世話なっている、ネオンアーティストの安彦哲男さんに無理・失礼を承知で相談。
このネオンも、動きの中の縁で灯る・・本当にありがとうございました。
オープニングでは、地産地消日替わりシェフレストラン「かめおか四季菜」を通して
軽食を用意していただきました。亀岡を味わいながらのスタートです。お世話になりました。
2日目。
右下にあるのが、藤阪氏が発見した建物の屋上に降りていた隕石@
石は場景の空き地に降りる : 藤阪新吾
トーク・セッションの輪の中に降りる石。
「社会美」について、社会学者の宮原浩二郎先生にお話をいただく。
阪神大震災復興により生まれた、きれいだが寂しく単調な風景に疑問を感じられたことが原点とのこと。
一度衰えたものが再び盛んに・・気配が起こる、見て、聞いて、ふれて、感じて良い。
相互作用の景色・・一緒にいるから、それぞれが自由でいれる。
人々の活動を、人と人の関係を味わう。
などの言葉が印象的でした。
宮原先生にとって初めての亀岡・・保津浜でもっとも味わい深かったのが、
保津川下りの船頭さん達が焚き火を囲む光景とのこと。
皆さんも亀岡に来られたときは味わってみてください。
蛾 : 宮平駿也 (学生)
窓の外のイチョウの落葉が降り積もってできた「が」・・集積と変容。
窓 : 藤阪新吾
4枚の窓を開けることにより南の駅側と、北の川側の世界をつなげる。
fieldworks : 吉澤充子
亀岡を俯瞰したときに感じたイメージを転写。建物に加わった痕跡。
うつりかわり : 村田郁恵 (学生)
映りうつろう 場・・人・・時・・
HOZ/H2O : 岡崎宏樹
周辺の様々な音を採取し、新しい音の世界を料理する・・音を味わう。
開栓 : 松井哲哉
昔 ・ ・ 湖
動く周辺 止まった場所
霧中の真空
下がる圧力
立ち昇る湖水
水中に垂れ下がる水グモの糸
2度目の水抜き ・ ・
3日目 終了。
今回、亀岡で初めてのこと。
ご迷惑をおかけもしましたが、色々な発見、出会いもありました。
私自身は、真夏に藤阪氏を亀岡案内するところから関わりがはじまりました。
様々な人や場所を紹介するなかで、この建物に強く感じるところがあったとのことです。
案内する中で、
歴史について教えていただいた、
亀岡市文化資料館の館長さん。
水運の歴史を支えてきた筏師や船頭さんの村であり、貴重な資料をいただいた
保津町の皆さん。
地元食材を使った料理を、守り継がれる武家屋敷でいただき、
期間中にも会場にシュトーレンの差しいれまでいただいた、
へき亭のおかみさん。
地元ならではのおもてなしの宿を提供していただいた、
河原林町の寺町富貴子さん。
フィールドワークで、保津川下りの造船所を快く見学させていただいた、
保津川遊船の関係者の皆様。
その他、広報に協力いただいたり、当日会場に足を運んでいただきお話をいただいた方々
などとの関係の中で今回の場が立ち上がったと思います。
最後に、
様々な事情のある中、会場の使用を許可していただき、
また建物の歴史について多くの情報を提供していただいた、
亀岡商工会議所の関係者の皆様。
そして、この場所に着目いただき展覧会を開催していただいた、
京都学園大学と藤阪新吾氏に感謝いたします。
様々な縁の発芽が次の動きに育っていくことを願います。
皆様、本当にありがとうございました。
掲載している13枚の写真のうち上から2、6、10、12枚目の4カットは藤阪氏から提供いただきました。
3日目に訪問しました。商工会館の建築物としての歴史と質感、当日の淡い陽光の下、亀岡、保津の表情の細やかさに改めて感じ入りました。
展示・演出自体がそうしたものに目を向けさせる、独特のいざないとなり、自然とひとの営みの織りなす風土の積み重ねの深さとはかなさを思いました。
われわれ、無名の者は無名の者として、今を生きる誠実さがあれば、こと足りる。同じく無名で誠実に歴史を織りなしてきた人々と同じように。