ヴォーリズの秋?其の一 ~神戸女学院~

神戸女学院で行われた、「ヴォーリズ建築文化全国ネットワーク全国大会」という
フォーラムに参加しました。
歴史的建築物などの研究や保存活動をされている財団法人ナショナルトラストと
NPO法人アメニティ2000協会などの主催で、講演やトークセッションでは、
阪神間のヴォーリスの建築の現状、保存、維持管理の難しさやなども知ることができました。

個人的には、ヴォーリズ建築は少し特別なものに感じてましたが、
阪神間、特に、こういったヴォーリズの建築が多く点在している地域の人に
とっては、案外、身近なものなのかなと思いました。
特に、この神戸女学院に訪れてみて、ヴォーリスの建築の中で生活するのが日常だと
いう人がいるのだなと、、うらやましくもありました。
そして、ヴォーリスの言葉で、
学校建築においては、建物自身が生徒への精神的影響を及ぼすとしていて、
実際、見学させていただいて、
ランドスケープ、レイアウト、広場型キャンパス、一つ一つの素材、
パーツのデザインなどまで、細かく考えられているのが良く分かりました。
震災の影響も受けていたり、現在の状況に合わせて、増改築が行われていっているようですが、
スタイルとディティールの継承がなされていて、違和感なく成長していっているようです。

若干遅刻、で、入口で講堂までの道を教えられ、えっ?ここを真っ直ぐ?
と疑ったアプローチ。その後、坂道が待ち受けていて、山にハイキングに来た感じ。
女学校のイメージをいきなり崩されました。
後で、この学校は建物を傷つけない為にヒールの靴が禁止されていると聞かされましたが、
それ以前に、この坂はヒールでは登れないかも、、と思いました(笑)



木立の間から見える校舎。



講堂の窓。しっかり光が差し込んできていますが、実は、窓の向こうは
廊下でした。廊下の天井が高く、トップライトが設けられていて、そこからの
光が講堂にも落ちてくるようになっているようです。
より空間を感じていただけるようにと、
パイプオルガンの演奏も聞かせていただきました。



ソールチャペル。
入った瞬間、ホーッと溜息のでる空間でした。
夕日が差し込んでいて、神秘的な雰囲気でした。







洋館だなと感じるところ、ゆったりとした まわり階段。
必ず、階段の踊り場の上部には光のふりそそぐ窓が設けられていました。
階段の段をゆるくする為に、階高を低くする工夫もされているそうです。



図書館。こんなところで一日本を読んでいたいですね。
北向きの大きな窓。芝生の中庭が一望できます。
机、椅子、テーブルライトも大切に使い続けられていています。



他に、キャンパス内にある茶室、外国人教師の為の住居なども
見学させていただきました。

神戸女学院さんの学生さん達が、学校のカレンダー作成の為に写真を募集した
際に集まったという写真の展示をされていたのですが、
この場所を発見してみなさいっ。みたいな感じで
そこで過ごしている学生さんだからこそ撮れる写真も多く、
何よりも、キャンパスが愛されてるんだな、と感じました。



神戸女学院[1934~ 設計:ウイリアム・メレル・ヴォーリズ]


ヴォーリズの秋??其の二 六甲山荘へつづく、、


Leave a Comment

CAPTCHA