UIA 2011 東京大会 にいってきました。
http://www.jia-kanto.org/uia/
テーマ「DESIGN2050」
サブテーマ「環境・文化・生命」
建築界では、世界的に最も大きな大会の1つです。
今回は、日本・東京での開催となりました。
日本では東日本大震災がおこり、復興へむけて歩む中
災害時の連帯や災害復興に関してのプログラムもあり
意義深いタイミングでの開催となりました。
メイン会場「東京国際フォーラム」の中庭広場。
仮設の店舗なども置かれ、人や並木とともに街が流れ込みます。
「UIAゴールド・メダル賞」などの表彰式をはじめ
様々なプログラムが行われましたが、個人的に興味があるものを一つ紹介。
「コミュニティ・アーキテクツ」シンポジウム
地域に根ざした建築士からの提言と実践
基調講演:マリステラ・カッシアート(イタリア・ボローニャ大学建築史教授)
事例報告:A) 神戸市再生まちづくり 森崎輝行
B) 京都祇園地区の南地区再生 吉田秀雄
C) 土佐派の家づくり 山本長水
D) 山形県金山町のまちづくり 片山和俊
E) オランダのコミュニティ形成 吉良森子
パネル・ディスカッション
地域まちづくりにおける主役は住民。
実践していく上でのサポートの体制のあり方は、今後成熟していってほしい。
場・空間をいかしたまちづくりにおける、建築専門家として
住民に寄り添い、意をくみ、共有されたイメージを、場・空間として掘り起こしていく。
そのような意思が、きらきらと光っていました。
基調講演でのマリステラ・カッシアートさん。
デザインプロセスにユーザーが参加、計画段階に市民が参画し、
対話を重ねるなかで空間を作り上げた例として
TEAM10 などが紹介されました。
講演の中で、
「建築家無しの建築」
「スターアーキテクト」に対する「ソーシャルコミュニティアーキテクト」
「インターナショナル」に対する「ローカル」
というような対概念が語られましたが
現代の地域社会が求める価値に立つ中で
両方の価値が 対立するのではなく等しく扱えることが出来るのではないか?
対立もしないし、あきらめる必要もない・・在り方、バランス。
そういうものを求めていきたい気持ちが湧いてきています。
事例報告の中で、
吉良森子さんのオランダのコミュニティ形成という報告での
「コミュニティ・プライベート・コミッション」
と呼ばれる市民の住宅取得の在り方についての話が興味深かった。
行政が持っている土地に、公営の住宅をディベロッパーが建てるのではなく
20件程度が集まってNPOを立ち上げた住人達が
このシステムを進める上で住人をサポートする専門集団のNPOのアドバイスの元、
自治体から土地を購入し
建築家(設計)や施工者と契約し設計や施工を進めていくというものだ。
「自分の好み+みんなで住む」という
2つの価値を同時に得られることが通常の公営住宅の取得とは違う部分。
その2つの価値におけるルールの設定が、
恣意的ではない「通り」の自然な空気を20戸の住宅群が創りだしていたことに
設計者としても驚きがあったそうです。
「自由度+フレーム」
この在り方、バランスの発生のさせ方も、現代的なテーマです。
国際建築家連合公式サイト
http://www.uia-architectes.org/